柏野尊徳:著

スタンフォード大学で教えられている最先端のノート術を、日本のビジネスパーソン向けにわかりやすく解説したのが本書です。著者・柏野尊徳氏が紹介する「地頭力を高めるノート術」は、ただのメモ術ではなく、発想力・論理的思考力・共感力の3つの能力を伸ばす実践的な方法です。
地頭が良い人の3つの特徴
- 発想力:突き抜けたアイデアを大量に出せる力
- 論理的思考力:スマートに説明できる力
- 共感力:人を集め、動かすコミュニケーション力
これらを伸ばすために、「アイデア・ノート」「ロジカル・ノート」「プレゼン・ノート」という3種類のノートを使い分けます。
ノート術の3段階
- アイデア・ノート:右脳を使って自由に発想
- とにかく量を出す
- 正解を予測せず、手を動かして書く
- ロジカル・ノート:左脳で整理・分析
- 2×2マトリクスやSDTFマトリクスを使って情報を分類・優先順位付け
- 「事実」と「意見」を分け、意見を「Think(考え)」と「Feel(気持ち)」に整理
- プレゼン・ノート:相手の右脳・左脳に響かせる
- ストーリーボードで情報を映画のように構成
- 共感力(Sympathize/Empathize)を意識した整理で、相手に伝わるコミュニケーションを実現
チーム全体での活用も
- ブレインストーミングやワークショップで応用可能
- マルチタスクより、1日に取り組む仕事は3つまで
- 朝型・夜型・中間型など、自分に合った集中力の出る時間や環境を知ることも大事
所感
スタンフォード大学で教えられているメソッドを、実践的に学べる一冊です。ノート術の基本から応用までを丁寧に解説しており、ビジネスでそのまま活用できる具体例も豊富。
セミナー形式の知識を整理しているため、業務の現場感や生々しさにはやや欠けますが、「地頭力を伸ばしたい」「思考を整理して発想を広げたい」と考える人には一読の価値があります。
💡 個人的には、まずアイデア・ノートで思考を解き放ち、ロジカル・ノートで整理、最後にプレゼン・ノートで伝えるという流れが、頭の中をクリアにするのにとても役立ちました。ノートを書くのが楽しくなる一冊です。